基礎編 1
1-1.バンド内での役割
まず、ブルーグラスにおけるベースの役割を考えてみましょう。
みなさんご存知のようにブルーグラスの代表的な編成では一般的なバンド形態に不可欠なドラムなどのリズムを主に演奏する楽器がありません(そもそもドラムがリズムの要か? という議論はここでは保留)。そのため、リード楽器のソロや歌の部分では残りの楽器の担当者は必然的にリズムを刻むように演奏します。中でもウッドベースはその低音から、リズムの一番核となる部分を担当することになります(ドラムセットでいうとバスドラムにあたる部分か?)。
ブルーグラス・ベースは単純作業に思われがちなのですが、実はとても繊細なパートであります。よいベースはバンド独自のノリを作ります(特に裏拍を意識し始めるとバンドの音により活気が出てくるでしょう)。
いまでこそPA機器が充実して、各楽器に割り当てられたマイクを通して会場内に音色を響かせることができますが、まだ機材が貧弱もしくはまったくなかった時代は十分な音量を得るために、先人たちは相当苦労したのではないかと思います。
ましてやバンジョーのあの大音量ときたら! ギターやマンドリンのカッティングではとてもかないません。そこでバンドの音により厚みを持たせたり、もっとコシのあるビートを作るためにベースが導入された、案外そういう経緯もあったのかもしれません。
ベースを弾くうえでもっとも重要なこととはなにか。いろいろな意見があると思いますが、やはり一定のリズムを保てること、つまりリズムの安定性であると考えます。
さらに言うと、「リズム=テンポ+ノリ(グルーヴ)」となるわけですが、まずはじめは安定したテンポ(=スピード)を保つことからはじめましょう。基礎となるもの(基準)が固まっていないと、ゆったり心地よい「タメ」もハイスピードな「ドライブ」感も表現できません。